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晴好夜学〈第2回〉
「知的想像力」
栗田善成さん

 第2回目は、KBCラジオ「栗田善成のまずはラジオでおつかれさん」でおなじみのラジオパーソナリティ・栗田善成さんを、建立寺の本堂にお迎えいたしました!

講師:栗田善成さん
2009年11月13日 会場:建立寺

「知的想像力」

 番組は月~金・16時~19時の3時間生放送。最もお疲れであろう金曜日、しかも番組直後の19時半開始という過酷なスケジュール。恐縮しきりの晴好実行委員会でしたが、そこは38年間のパーソナリティ生活で1日しか休んでいない鉄人・栗田氏。「舌の根っこがくたびれた」とボヤきながらも、いきなり艶(下)ネタから幕が開いたのであります。(内容は秘密)
 さて、この日のお題は「知的想像力」。日本大学放送学科を卒業後、永六輔氏が初代の社長を務めた会社でCMソングのプロデューサーとなり、その後福岡で広告企画やコピーライティングを行っていた栗田さん。番組の放送台本を書いたことがきっかけでスタジオ入り。38年前ですから、1971年のことですね。(改めて長い!)
 その経歴を聞くと、世間の”情報”に常に敏感でなければならなかったことがうかがえます。現在も新聞3~4紙、週刊誌5誌、マンガ、単行本、展覧会・イベントなどから鮮度の高い情報を拾う日々。特に最近のマンガは、「世の中の新しいことを伝えようとしている」からネタの宝庫だとか。
 「どんなに仕入れても、毎日喋ると1週間で空っぽになる。それこそ”話にならない”ですな(笑)」。スポーツ選手が筋肉を鍛えるように、栗田さんは各紙のスクラップをジャンルごとに整理し、日々情報を蓄えているそうです。それによって、社会の事象の「背景を推理することができるようになったり、別々の情報がストンとつながることがある」と。

 「テレビの特徴の1つは、季節を見せてくれること。それが花であれば、ラジオの場合は、その花を自分の今までの経験の中から引っぱり出す必要があります」。それは、想像力を刺激すること。話す側は、興味を持った情報を「咀嚼(そしゃく)して、調理して発信する」、聞く方は、「想像して、引き出しを開け閉めしながら聞く」。
 ラジオは、電波を通しての刺激交換でもあるようです。「ラジオは脳を活性化させるんですな。つまり私は、”世のため、人のため”に喋っとるんです! みなさんも、年取ってぼけたくなかったらラジオを聞きなさい(笑)」。

 番組名物の「川柳コーナー」には1日約150通の応募があり、常連投稿者の中には、川柳の本を出版しちゃった人が3人もいるそうです。ちなみに、この日のお題は『露』。栗田師範代の一句は、「もも伝う 程だったわねと フルムーン」でございました…。(バックナンバーはこちらで読めます。)
 純米酒「晴好の風」を囲んでの懇親会も、毒と艶(下ネタ多し)満載のトークで大いににぎわいました。70歳を超えてなお旺盛なサービス精神に、感服です。

文:末崎光裕 写真:比田勝 大直

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