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晴好夜学〈第15回〉
「年金と遺言相続の裏ばなし」

 今回は「掘法律事務所」の掘繁造さん、「堀江社会保険労務士事務所」の堀江玲子さんをお招きして、将来のために聞いておきたい遺言相続について語っていただきました。誰にでも訪れる「そのとき」までに、私たちは一体なにを用意しておいたらいいのか。改めて考える、良い機会になりました。

2013年3月21日 会場:建立寺

講師:掘繁造さん

講師:堀江玲子さん

遺言の種類って?

 掘さんいわく、遺言は自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つにわけられるという。どの遺言書がいいかといえば、断然「公正証書遺言」。証人が作成したものなので、あとから争いが生じたときにリスクが少ないのだそうだ。
 しかし、いまの日本で一番多い遺言は「自筆証書遺言」。「直筆で生前の自分を残そう」と思う人が多いということだろう。

自筆証書遺言って?

 法律上、15歳以上であれば”遺言能力”があるとみなされる。この遺言能力とは、「自分で遺言をなしうる力があるかどうか」というもの。たまに耳にする「遺言争い」の多くは、遺言能力がほとんどの原因と言ってもいいそうだ。
 では、争いが起きないようにするには、どうすればいいのか。原則として自筆証書遺言は、1から10まで手書きでないといけない。筆跡によって本当に本人のものであるかどうかを判定するためだ。カーボン紙による複写は自筆であることが判定できるためOKとみなされた前例もあるという。
 また、3つ以上の遺言がある場合、最も有効なのは最後に書かれたものだそう。しかし日付がないとどれが最後なのか判断がつかないので日付は忘れてはいけない。裁判例では60歳の誕生日に「定年退職の日」と書かれた遺言は有効とされたとか。また、氏名は生前に親しまれたペンネームや芸名でも良いというから驚きだ。そして忘れてはならないのが捺印である。
 ――ここまでしても、内容があいまいなだったり文意が読み取れなかったりすると遺言相続が起こる場合はある。自分の死後、周りの人たちを混乱させないためにも「遺言」は必要不可欠なのだ。
 まだまだ先のことだからと言わずに、早いうちから勉強をしておくことが、生きているうちにできる、周囲への恩返しなのかもしれない。

年金・相続って具体的にどうなるの?

 このほか、相続の話について掘江さんが説明。さまざまなケースを交えて金額などをこと細かに教えてくださったため、特に女性陣は真剣な眼差しで話に耳をかたむけていた。「自分がいなくなったときのために残す遺言」についてと「残された自分たちが相続をどうするか」についての両方面から考えることができた今回の夜学。
 いずれにしても、自分たちには何ができるのかをいま一度見つめなおすことが大切なのだろう。

文:株式会社チカラ 内川美彩 写真:比田勝 大直

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